PICK&UP No.24 未来学舎KIBOTCHA~キボッチャ~ -東松島市-
防災を身近な習慣に!
命を守る術を学ぼう!キボッチャ の防災体験プログラム
東松島市野蒜地区にあるKIBOTCHA(キボッチャ) 。
東日本大震災で津波被害に遭い閉校した旧野蒜小学校を改修し、2018年7月に防災体験型宿泊施設として生まれ変わりました。近年、日本では天災が起きない年はないのではないかというほど、地震、豪雨、噴火など全国各地で様々な災害が発生しています。
キボッチャでは、「これからの日本のために命の大切さを伝え、防災を身近な習慣として根付かせたい」という思いから、防災教育キャンプや防災研修などの体験プログラムを実施しています。
今回は、キボッチャスタッフの小暮さんに災害時に役立つ防災術を教えていただきました。
体験時の様子と合わせて、キボッチャの防災体験プログラムの内容をご紹介します。
いざ!という時のリーダーになれるようなカリキュラム!
① ロープワーク
災害が起きた時、すぐ救助が来ないときに人を助けたり、自分の安全を確保したりと、様々な場面で活躍するロープ。災害時に役立つロープの活用術と結び方を学びます。ロープの持ち方や結び目への入れ方は、小暮さんが丁寧に分かりやすく教えてくれるので初心者でも、不器用さんでも安心して実践できますよ。
今回は「本結び」「八の字結び」「もやい結び」「巻き結び」に挑戦。それぞれの結び方と特徴を教えてもらいました。
本結び
繋ぎ合わせやすいのにとけにくく、ほどきやすい結び方。ロープの端同士を繋げて結ぶ方法なので、短いロープを繋いで長く使いたい場合やはしごの代わりとしても有効的です。
もやい結び
負荷が加わってもほどけにくく、作った輪が縮まらずに安定するので、救助の際にも役立つ結び方。本来は船をつなぎとめるための結び方として使われているもので、船を係留杭などにつないでおくことを 「舫う もやう 」と呼ぶことから「もやい結び」を言われているそうです。
巻き結び
ロープを木や杭などに縛り付け、固定させる結び方。水害や海でのアクシデントで救助する際に、水を半分ほど入れたペットボトルに巻き結びでロープを結べば、簡易な浮きとして活躍 。 最後にギュッと力を込めて縛ることで、ほどけにくくて丈夫な結び目になります。
八の字結び
結び目が数字の8の形になる結び方。ロープの途中にコブを作ったり、「二重八の字」にすると、テントを張るときや、何かに引掛けたい時に活躍します。アウトドアシーンでも役立つロープです。結び目に体重を乗せやすいため、救助の際にはロープを握りやすくするためとして八の字結びを使う場面も多いそうです。
結び方によって様々な特徴があるロープワーク。命を守るため、人の命を救うため、“いざ”という時に出来るように、しっかりと基礎から学んで練習して、身に付けたい術ですね。
視点を変えれば身近なものも防災スーパーアイテム!
② 担架
お次は担架(タンカ)体験。災害現場などで傷病者を安全な場所へ搬送するための手段のひとつです。プログラムでは3人グループになって、搬送する側・される側を体験します。今回は竹竿2本と毛布を使用した担架を作り、重さ10㎏のバッグを2つ載せて、20㎏の搬送に挑戦。
「しっかり重さを感じます。20㎏、こんなに重いんだ!でも担架はすごく安定していて持ちやすい」と体験したスタッフM。「自分の身体が 竹竿の間にぴったりくる幅で担架を作ると、運びやすさがアップするよ」と小暮さんからのアドバイスをもらい、しっかり搬送の基本を訓練しました。
いつ、どこで、何があるか分からないので、緊急時には“現場にあるものを使用して素早く簡単に”担架を作ることが大事です。例えば、毛布しかない時は毛布の端を丸めて持ち手を作るだけで簡易担架が完成します。毛布がない時にはウインドブレーカーなどの衣類を使用したり、学校や職場であれば会議用の長机、ご家庭であれば畳なども担架の代わりになります。緊急時に担架の代わりになるものはとても身近にあるので、日常の中で少し意識して探しておくと安心ですね。
体験してみると、自信になる!
③ 心臓マッサージ
「急に人が倒れた!」という場面に遭遇した時、身近にいる人の早急な対応がカギとなります。備えがなければ、どうしていいか分からず、行動できません。行動できないと、その場にいて不安になることしかできません。“もしかしたら”のためにも、心臓マッサージについてしっかりと知識をつけておくと安心ですね。
体験プログラムでは、傷病者発見から救急隊へ引き継ぐまでの一連の流れを学び ます 。意識の確認から 119番・AED依頼、心臓マッサージ、AEDの使い方を体験 します。気になるあれこれを小暮さんに質問してみました。
「心臓マッサージってどのくらいの速さと強さで押すの?」
→速さは1分間に100~120回で、アンパンマンマーチやかえるのうたくらい。体重をしっかり乗せて、思っているより強め胸骨が約5㎝下がる程に押します。
「どのくらい続けていたらいいの?」
→意識がない人には倒れた直後からすぐに心臓マッサージを開始し、救急隊が来るまで絶え間なくマッサージを続けます。体力を使う動きでとても疲れるので2分程度で交代しながら行うと◎。
「心臓マッサージ、やって大丈夫なのかな?」
→心停止後の救命率は1分間に10%ずつ下がるというデータがあります。少しでも早く脳に酸素を送るため、意識がないことを確認したら、まずは迷わず心臓マッサージを行ってください。
「AEDの使い方は?」
→AEDを開けると使い方の説明やアナウンスが流れます。基本的にはそのアナウンスの指示に従いますが、“分かっていて従う”と“分からないまま従う”では、対応が変わってきます。使い方、手順、役割などを知っておくことで、自信をもって対応できるようになりますよ。
誰もが学ぶべき自然と共存して
安全に生きていくための大切な体験
その他にも、ほふく前進の仕方や公衆電話の使い方、時計を使った方角の見方、着衣水泳、火起こしなど様々なことを学ぶことが出来ます。キボッチャの体験プログラムは、家族でも会社やグループなどの団体でも実施可能です。防災を身近に、日常の習慣とすることで、いざという時、自分や家族、大切な人を守る力に繋がります。
9月1日は「防災の日」。命を守るための術をキボッチャで学んでみませんか?
文・写真:酒井志帆
未来学舎KIBOTCHA
未来学舎KIBOTCHA
〒981‐0411宮城県東松島市野蒜字亀岡80番
営業時間:10:00~17:00
休業日:火曜日
電話: 0225‐25‐7319
詳しくは下記ホームページをご確認ください。