PICK&UP No.10 株式会社東松島観光物産公社 -東松島市-
日本三大渓“嵯峨渓”を巡る、ちっちゃな船旅 奥松島遊覧船。
日本三景のひとつ、松島の奥地にある「奥松島」。
奥松島は松島湾の入口に浮かぶ宮戸島と太平洋に臨む野蒜海岸一帯を指し、冬でも暖かく、
早春には椿は咲き乱れ、野生の棕梠(シュロ)が繁茂していることから「東北の伊豆」とも呼ばれている。
今回は 奥松島観光には欠かせない、嵯峨渓を巡る「奥松島遊覧船」の魅力に迫る。
風光明媚な観光地・奥松島「嵯峨渓」
岩手県の猊鼻渓、大分県の耶馬渓と並ぶ日本三大渓のひとつ「嵯峨渓」は、東松島市内中心部より車で約20分、三陸自動車道鳴瀬・奥松島ICより車で約15分のところにある東松島市随一の観光スポット。
嵯峨渓は、太平洋の波により長い年月をかけ岩肌が少しずつ削られてできた自然の産物で、高さ20~40mの凝灰岩の断崖が約2kmにわたって続いている景勝地である。
鎌倉時代、後醍醐天皇の皇子・護良親王が鎌倉を脱し宮戸島に上陸した際に、「京都の嵯峨野のように美しい」と感動したことから“嵯峨渓”と名付けたといわれ、女性的でやさしく穏やかな松島とは対照的に、切り立った崖や鋭利な岩肌が男性的で荒々しい印象だ。
奥松島遊覧船の魅力
宮戸島に入口に位置する復興再生多目的施設「あおみな」に遊覧船案内所がある。
奥松島遊覧船は定期運航ではないため、人数が集まるとその都度乗り合いで出航している。
遊覧船の操船、ガイドをするのは地元のベテラン船長。
方言を交えながら島々や岩の名前などを説明してくれる船長のガイドは、奥松島遊覧船の魅力のひとつだ。
「あれは穴が開いていてメガネに似ているから“メガネ崎”。象が水を飲んでいるようにも見えるから“象の鼻”とも呼ばれているんだよ。」「少しずつ崩れてきていて小さくなってきたけど、あれが嵯峨渓の“日本地図”。」と、船長と乗客の掛け合いにより船内は常に賑やかで、あっという間に時間が過ぎていく。
美しい白亜の断崖絶壁「屏風岩」、タイミングが良ければ見ることができる「青の洞窟」など、遊覧船で巡る嵯峨渓は季節や天候により違う表情を見せるため乗るたびに新しい発見がある。
小型船舶でしか体験できない迫力と岩々が見せる大パノラマの驚きと感動、船長との楽しい時間が「また来たい」「楽しかった」という充実した気持ちにさせるのだと思った。
文・写真:酒井志帆
株式会社東松島観光物産公社
(奥松島遊覧船案内所)
〒981‐0412宮城県東松島市宮戸字川原5番地1
営業時間:8:15~17:00
休業日:年中無休
電話: 0225‐88-3997