PICK&UP No.37 社会福祉法人一視同仁会 -石巻市-
(全 5 回・第4回目)
「やってみたい!」という意欲が
湧いてくるようにサポートしたい!
今回は社会福祉法人一視同仁会ピックアップ第4回目。社会福祉法人一視同仁会が運営する老人福祉施設では、レクリエーションにも力を入れています。花水木デイサービスセンターもとまちの四季折々の行事と日々のレクリエーションをご紹介します。
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花水木デイサービスセンターもとまちでは開所当初から、利用者さんに楽しんでいただくために、毎日様々なレクリエーションを行っています。そして日々のレクリエーションとは別で、春はお花見にちなんでお花の工作をして飾ったり、お花見弁当をテラスで食べたり、七夕飾りを作るなど、季節感を味わってもらえるようなレクリエーションを大切にされています。
中でも盛り上がりを見せたのは今年行った「運動会」。本物の運動会さながら、選手宣誓やラジオ体操から始まり、職員さんが赤白帽子やハチマキの演出で盛り上げ、チームに分かれて対抗戦をしたところ、初めは静かに参加されていた利用者さんですが、「えいえいオー!」の掛け声が上がるほど盛り上がったそうです。
気になる競技の内容ですが、ご高齢の方の体力に合わせて考案した優しい競技のアイデアが光ります。紙コップに玉を入れて隣の人のコップに渡していくリレーや、腕でタオルの輪を渡していくリレーなどをとおして、楽しく手先を使い、日常生活の動作にも役立つサポートや認知症予防に繋がる運動に自然と楽しみながら取り組んでもらえるように、競技の内容や小道具を考えているのだそうです。
工夫を凝らしたレクリエーションで
楽しいデイサービスの時間を
「ご家庭で、実際のところ難しいであろう〝毎日の関わり〟や、〝四季折々の行楽〟のような楽しみを増やし、サポートしたいという思いで日々、利用者さんの意見も聞きながら、楽しくちょっとした運動や刺激になる企画をしています。」と介護リーダーの日下たみえさん。日々の利用者さんとの関わりの中で閃いたアイデアを生かし、利用者さんに楽しんでいただく事を大切に、毎日飽きないように、違ったレクリエーションを行っていらっしゃいます。
「軽い運動を含んだレクリエーションの場合は、待機して補助をする形にして、なるべく自然な形で楽しんでもらいたいと思っています。利用者さんに合わせて、参加が難しい場合は、できそうな事にアレンジして参加いただけるように工夫しています。」と所長の阿部和也さん。阿部所長さんは、理学療法士のご経験から、身体に寄り添ったアイデアを日々考えていらっしゃいます。職員の方々の様々な視点と感性で楽しいレクリエーションが生まれています。
ここ数年は、新型コロナウイルスの影響で外出の自粛をせざるを得ない状況の中、施設前の北上川を臨むテラスで、施設の栄養士さん考案のお花見御膳を楽しんでもらったり、お花見にちなんで、利用者さんにお花の工作を楽しんでもらうなど、できる事を探してアイデアを凝らしたレクリエーションを行ってこられました。
世の中の状況で制限があっても
不可能に焦点を当てず
方法を変えてできるように工夫する
高齢の方は活動範囲が狭まり、外出の機会が減る傾向があり、デイサービスへ通うこと自体も一つの外出の楽しみですが、デイサービスでも外での活動が人気だそうで、コロナ渦以前はお花見や生け花の展覧会へ出向き、コロナ渦では人混みを避け、施設の日当たりの良いテラスを有効活用したプランター菜園で、ピーマンや枝豆の栽培と収穫を楽しむレクリエーションを行い季節を肌で感じてもらっていたそうです。
七夕には七夕飾り作りをし、笹に飾り、お正月は絵馬を作って施設内に作った手作りの神社に奉納して、それを本物の神社へ職員さんが納めたそうです。
芸術に力を入れている
花水木ならではの教室
遠藤鶴蓉先生(以下鶴蓉先生)を隔週で招き書道教室を行っています。鶴蓉先生は、東松島市書道協会所属、東松島市文化協会役員であり、日院書道会の準同人で、普段東松島や石巻の教室で指導されています。
「書の基礎から応用まで、書道の魅力を伝えていきたい」と鶴蓉先生。鶴蓉先生に花丸をもらう時、利用者さんはとても嬉しそうでした。
筆で書いたのは80年ぶり!
先生からもらう花丸は
いくつになっても嬉しいわ
そうおっしゃっていたのは、利用者の斎藤さん(88歳)。書道の前の日は、ドキドキして眠れないほどに、ときめいて心が踊るほど、隔週の楽しみになっているそう。8歳の頃に筆で字を書いたのを最後に、実に80年ぶりでとても楽しい時間のようでした。
施設のお手伝いをされている、ウクライナから避難されているイリナさんも筆で日本語を上手に書いて楽しんでいらっしゃいました。
施設に来て人の輪に入ることで、
団結力、連帯感、活力が生まれる
利用者さん同士でのコミュニケーションが円滑になるように、特に初めてのご利用の方は、趣味が似ている方同士を隣に座るようにしたり、施設に通所する楽しみを増やせるように工夫されています。施設にお友達が増えれば、お洒落をしてデイサービスに行こうという意欲も湧き、自立心も生まれるそうです。
阿部所長さんにこれから行いたいレクリエーションをお聞きしたところ、お花見、外ランチ、秋には芋煮会だそうです。今年は規制も緩くなり、できることが増えて利用者さんの笑顔がさらに見れることでしょう。
これからも花水木デイサービスセンターもとまちさんのレクリエーションは進化していきます。ご高齢のご家族が日中、楽しい時間を過ごし、交流の輪が広がる花水木デイサービスセンターもとまちさんへ、ぜひお問い合わせください。
文:上野恵美 写真:酒井志帆 一部同社提供
社会福祉法人 一視同仁会
住所 〒986-1111
宮城県石巻市鹿又字八幡前15番
受付時間:8時20分 ~ 17時20分